映画『アス』見ました。
『ゲット・アウト』が予想以上に面白かったので、次作である『アス』も面白いのではと期待を込めて視聴してみました。
『アス』のあらすじ
1986年、少女アデレードは、サンタクルーズにある遊園地のミラーハウスで自分にそっくりな少女に遭遇し、それが強烈なトラウマとなってしまう。
そして現代、成長したアデレードは、家族と夏休みを過ごすため因縁深いサンタクルーズの家を訪れる。
その夜、家の前に自分達一家とそっくりな"わたしたち"がやってくる…。
『アス』の感想
※感想はネタバレを含んでいる事がありますので、未視聴の方はご注意ください。
星 ★★★☆☆
ホラー色のある政治映画
アスを見る上で絶対に間違えてはいけないのが、ホラーではないというところだと見終えてから思いました。サイコスリラーホラーという事で勧めてもらって見たのですが、いずれにしてもジャンルと表するには弱く、それでいて異常なまでにメッセージ性は強いです。
ホラーで言うならばどちらかというとパニック的な要素が強めですが、若干コミカルなシーンなどもあって、メッセージの部分を掴みそこねると割と最後まで「この映画って何が面白いんだろう?」と感じ続け気付けば終わってしまったという事も十分ありえてしまいます。
この映画のメッセージ
ではこの映画でどんな意味が込められているのかというと、1つは人種差別です。
映画の中盤から後半にかけてテザードが手を繋いで列をなしているシーンが多々登場します。
これはHands Across Americaという1986年5月26日にアメリカで行われたイベントで、大西洋と太平洋を手を繋いで1つにしようという運動です。
1950年代頃から徐々に人種差別をなくす運動が行われ、昨今では黒人がどんどん社会進出を果たせるようになってきたと言われています。
しかし、実際はどうかというとまだまだ差別が消える事はなく、それは前作のゲット・アウトでも表現されていました。
もう1つは貧富の差です。
表と裏の2つが存在しているという設定は、不自由なく暮らしている富裕層と食べるものさえ困るほどの貧困に苦しむ貧困層を上手に現しています。
そしてその差に苦しんだ結果、裏側のテザードが表に対して復讐を仕掛ける事になります。
この2つのメッセージを汲んだ上で見ると、なかなか見応えがある作品になると思いました。
また、もう1つメッセージを上げるならば、ラストで実は表側のアデレードは元々裏側の人間だった事です。
これは貧困層でも富裕層と同じように能力があり、良い条件で育てば表側(富裕層)としても十分生きていける素質があるというメッセージのように思えます。
まさにアメリカならではのテーマで、徐々にそれに近づく日本も他人事ではありません。
と言った具合で、色々とメッセージが詰め込まれた映画だという目で見る事が、この映画を楽しむ上で不可欠です。
アメリカで非常に評価が高かった理由は、このメッセージに賛同する人が多くいたからだと思われます。
『アス』が見れるVOD
私はAmazon Primeで見ました。見放題で見れて月額も500円なのでおすすめです。