映画『ラストレター』見ました。
映画『「ラストレター」』予告【2020年1月17日(金)公開】
2020年1月公開の岩井俊二監督作品。既に色々なVODで視聴が可能になっていて、早速見てみました。
『ラストレター』のあらすじ
裕里(松たか子)の姉の未咲が、亡くなった。裕里は葬儀の場で、未咲の面影を残す娘の鮎美(広瀬すず)から、未咲宛ての同窓会の案内と、未咲が鮎美に残した手紙の存在を告げられる。未咲の死を知らせるために行った同窓会で、学校のヒロインだった姉と勘違いされてしまう裕里。そしてその場で、初恋の相手・鏡史郎(福山雅治)と再会することに。
勘違いから始まった、裕里と鏡史郎の不思議な文通。裕里は、未咲のふりをして、手紙を書き続ける。その内のひとつの手紙が鮎美に届いてしまったことで、鮎美は鏡史郎(回想・神木隆之介)と未咲(回想・広瀬すず)、そして裕里(回想・森七菜)の学生時代の淡い初恋の思い出を辿りだす。
ひょんなことから彼らを繋いだ手紙は、未咲の死の真相、そして過去と現在、心に蓋をしてきたそれぞれの初恋の想いを、時を超えて動かしていく。
©2020「ラストレター」製作委員会
『ラストレター』の感想
※感想はネタバレを含んでいる事がありますので、未視聴の方はご注意ください。
点数 79点
いつもは星ですが大好きな監督さんのため点数表記です。完全に主観的な評価ですのでご参考程度に。ちなみに『PiCNiC』を90点とした時の点数です。
ストーリーについて
前回の『リップヴァンウィンクルの花嫁』に続いて、再び岩井俊二さんの作品を見てみました。岩井さんの作品はどれも大好きで、特に私は古いものが好きなのですが、その中の『Love letter』という映画とリンクする形で作られた本作。監督自身の実体験が元になっているとかいないとか。
公式サイトに著名人の絶賛コメント続々との書き込みがあったり評判もなかなか良い作品でしたが、個人的にはそこまでではないと思います。もちろん悪くはないのです。エンターテイメント性の強い陳腐な恋愛作品に比べれば遥かに見応えはありますが、もう少し話を簡素にして演出にこだわって欲しかったかなと感じました。
表現が難しいですが、所謂売れ線の王道映画の話の主軸や見た側が感じる感覚は多くても3つくらい、それが邦画に多く見られる主題をぼかして受け取り方を明確にしていないものだと10くらいとすごく増えたりすると思います。多ければ多いほど1つずつから受けるインパクトは薄くなるのですが、岩井俊二さんは割とそれが少ない方が素敵な映画だと思える事が多かったように思います。
このラストレターはそれがすごく多くて、何度も言いますが全く悪い映画などではないのですが、細かな粒がゆっくり少しずつ集まって、気付くと見入っているような映画でした。あくまで個人の主観的な感覚の話ですし、出来事自体はシンプルなので、すんなり見られる人も多いかもしれません。
ただ、個人的にはできればもう少しそれぞれの出来事を鮮明にするか強烈なインパクトのある出来事を盛り込んで分かりやすい波を作っていただけたら、更に好きな映画になり得た気もします。
キャストについて
松たか子、庵野秀明、福山雅治、広瀬すず、神木隆之介、豊川悦司、中山美穂などなど、錚々たるキャストが出演されていて、それだけで見応えがありました。特に私は豊川悦司さんと中山美穂さんが大好きなので、二人のシーンは非常に印象的でした。もっと言うならば、豊川悦司さんを乙坂鏡史郎役にして中山美穂さんを岸辺野裕里役にして、阿藤役に庵野秀明さんとかでも良かったかもしれません。(それだとドラマのLove Storyっぽくなりそうですがw)
全体的なキャスティングのバランスが非常に良くて、良すぎて、なんだか少しNHKっぽく見えるシーンもありました。
まとめ
おそらく現在はどのVODでも見放題では見れず課金が必要になってくると思います。私が見たAmazonも500円のレンタル作品でした。
でも十分にその価値は感じられたし、ぼんやりと、じんわりと、温かい思いがゆっくり心に流れ込んでくるような映画だったように思います。
「何か映画が見たい!!」という時に見ると物足りなさを感じると思いますが、「ちょっと時間が出来たから、お茶飲みながら映画でも見よう」という時などは最高に幸せな気分になれそうな気がします。
それぞれの世代での人を好く思いやその想い方が、とても綺麗に紡がれた作品でした。
『ラストレター』が見れるVOD
私はAmazon Primeで見ました。レンタル作品扱いで500円ほどですが、後悔はしません!他にもU-NEXTやauビデオパス、TSUTAYA TVなどでも見れるようです。いずれもレンタル作品扱いですが、初回登録時に無料ポイントが貰えるものもあり、それを使えば無料で視聴も可能です。