映画『ミッドサマー』見ました。
『ミッドサマー』本国ティザー予告(日本語字幕付き)|2020年2月公開
『ヘレディタリー 継承』の監督であるアリ・アスターの最新映画。ヘレディタリーは個人的にはあまりハマる事はできませんでしたが、ミッドサマーの予告を見て心の映画アンテナがビビッと反応したので見てみました。
結論から言うと、グロめのアートなどが好きな方には一押しです!
『ミッドサマー』のあらすじ
家族を不慮の事故で失ったダニーは、大学で民俗学を研究する恋人や友人と共にスウェーデンの奥地で開かれる”90年に一度の祝祭”を訪れる。美しい花々が咲き乱れ、太陽が沈まないその村は、優しい住人が陽気に歌い踊る楽園のように思えた。しかし、次第に不穏な空気が漂い始め、ダニーの心はかき乱されていく。妄想、トラウマ、不安、恐怖……それは想像を絶する悪夢の始まりだった。
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『ミッドサマー』の感想
※感想はネタバレを含んでいる事がありますので、未視聴の方はご注意ください。
星 ★★★★☆
美しい世界で繰り広げられる奇祭
久しぶりに見た、とても賛否両論分かれそうな映画でした。私個人としてはかなり好物ですが、全く刺さらない人や見るに値しないと感じる人も多いかも知れません。
というのも、この映画は特に何かを伝えたいとか感じてほしいというメッセージ性がある映画ではなく、ただ、精神的な病や悲恋で苦しむ少女がカルトを通じて悲しみから開放されるというだけのお話だからです。
その心の裏側にはしっかりとした理由や理屈は存在していますが、押し付けるような演出は全くなく、むしろ美しい映像美で飾って、人間の汚さや弱さを隠しているようでさえありました。
カルトの恐ろしさ
ダニーは狂気に堕ちた者だけが味わえる喜びに屈した。ダニーは自己を完全に失い、ついに自由を得た。それは恐ろしいことでもあり、美しいことでもある
監督が脚本に書き付けた一文です。
作中には役目を終えた老人が崖から飛び降りたり、生贄だと言って生きたままの人を燃やすシーンなども出てきます。
それらを経て、主人公であるダニーは自身の悲しみを開放してホルガの村の一員となるわけですが、ラストで恋人を燃やして微笑むシーンなどはホラー映画の中でも珍しい心理的な怖さがありました。
ヘレディタリーの時も一風変わったホラー感がありましたが、それを更に突き詰めた結果生まれた作品のように感じます。
欲を言えば、もう少しグロの部分を多めにして狂気のインパクトを強めてくれると、アート作品感が強まって良かったかもとも思います。
音楽に関しては、かなりストリングスを多様していたのですが、打楽器やノイズっぽい音をもっと使ってくれるとまた違ったマイノリティ感が生まれて良さそうにも思えました。
この方々の作る音とかピッタリ合いそうです。(このPVもちょっとミッドサマーっぽいですね笑)
ホラーを期待すると失敗すると思いますが、冒頭にも書いたようにグロめのアートが好きな方やちょっと変わった映画が好きな方は、きっとお好きだと思います。ロブスターとかが好きな方も楽しめそうです。